理屈ばっかりこねくさる。ヘタレめが

ワシは朝から胸糞悪いのや。
宗教か哲学か武道か教育か知らんが実力のない奴らが実力ないくせに実力を涵養せずに理屈ばっかりこねくさる。ヘタレめが。

仕事もようせん奴が
「仕事が全てではありません」

金のない素寒貧の奴が
「金が全てではありません」

組手が怖くてようせんびびりの空手の先生が
「強さが全てではないのです」

あいつら本分で実力ないくせに、人間性ひけらかしたら何とかなると思ってくさる。
あ〜あ、つまらん奴らやのう。

そんなとき、本堂の入り口でお客の声がした。
ワシが
「なんやねー。」

お客さんはなんか中年の女の人で着物きとる。

「お邪魔しますー‼️

ワシが
「邪魔するんやったら帰って
‼️

女の客が
「あいよー。って違う違う。用事あるから来たんよ」

ワシが
「あ、あなた、吉本新喜劇の方です。」

女が
「方ですか?『か?』が必要でしょう?」

ワシが
「ワシがここの住職ですか?」

女が
「『か』やなくて、住職ですが。でしょう?濁点の点々つけないと」

ワシが
「あ、点々ね。わ”だじが、じゅ”う”じょ”ぐでござい”まじで」

女の客が
「全部に点々つけたら訳わからんでしょ!」

ワシが
「吉本新喜劇のパクリはこの程度にして、何のようやな?」

女の客が
「何でも、人伝てに、和尚様の言葉は他の寺とは違って、迷いを断ち切ってくれると、伺っておりまして、理弁寺にお邪魔させて頂きました」

ワシが
「邪魔するんやったら・・」

女の客が
「し、しつこい‼️
もうええて。
和尚様に何かこう、迷いを断つ言葉を何か書いて頂きたいと思いまして。」

ワシが
「書いたら何かくれるん?」

女の客が
「失礼ですが、お礼に10万円ほど」

ワシが
「な、なに、10万円??
マクドナルドの100円バーガー1,000個買える大金やないか。
何なりと、このハゲ坊主めに思うしつけ下さい。女王様‼️

ワシはいそいそと和紙に揮毫したよ。
そして、女の客に見せた。

女の客が
「な、な、何です?これ。
和尚さん。
冗談ですか?これ、宗教家の言葉とは思えません。」
女の客は唖然とした表情や。

ワシが
「読んでみい(笑)」

女が
「仏、ほっとけ。
神、かまうな 理弁寺 和尚」

ワシが
「神仏には関わるないうことや。
ええか、神仏はあったとしてなかなかワシらが届かん世界や。
その届かんものの機嫌とりをさせとるのが大概の宗教や。
あてにもならん。
そんなあるかないか分からんことを考えると気がおかしくなって、肝心の人の業が疎かになる。
お前らは偽の宗教家に騙されて金を巻き上げられるんや。
神仏はせいぜい先祖供養で充分や。でないと、
『あら不思議、お布施で出世しました』
なんて詐欺師に騙されることになるぞ。
人間は稼げ、仕事せい、勉強せい、生活をしっかりやれ。恋愛せい、結婚せい。人のやれることに力尽くせ。
それが明確に己を磨く道や
神仏が喜んでるかなんて、分からんわ。でも、お前の両親や家族、仲間の喜びは顔みたら分かるわ」

ま、ちょっと偉そうに言うとな。理弁寺の仏教は「人間宗 総本山 理弁寺」なのや。末寺はない。

何か、女の客、すっきり晴れ晴れしながら、山門を出たと思ったら、石の階段を真下まで転がり落ちよった。
大丈夫か思うて、見てたら、この女、立ち上がるなり

「危なー、もうちょっとで転ぶとこやったー‼️

何や、理弁寺紹介したの、中田はじめ師匠やったんかいな。

ワシ、今、理弁寺のお守り作ってるところや。何の功徳も霊験もないんやが、これを見たら生きる気になるいう奴や。
離婚薬物ノイローゼパパにも清美にも持たしてやろ。
みんな人生では重り持ってる。
せやが、それがその人に力与えとるのよ。
ワシなんぞ坊主やが世界のどえらい苦労した方々から比べたら可愛いベイビーやで。

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